触れている感触とか、体温とか、全部愛しい。






かちかちと確実に1秒ずつ時を刻んでいく時計の音が部屋中に大きく響いている。
やけに大きく聞こえたその音で目が覚めると、動かした自分の指に何かが絡みついた。
そこには気持ちよさそうに眠る少女が居て、俺の胸元、心臓の上のあたりにぴったりと耳をくっつけて眠っていた。
きっとなかなか起きない俺を起こしにきて、そのうちに丁度窓からの日が当たる暖かい場所を見つけてここに納まってしまったんだろう。
日が彼女の髪を照らしていて少し熱を持っていた。
光に浴びせられた髪がすごく綺麗で、夢中で何度も指でとかしてみたり。
起きる気配が無いからそのまま自分の胸の中に抱き締めて、ベットの中へと引きずり込んだ。

「ん…」
(やば)

体勢が変わったことで少し身じろいたのを、まるで子供を寝かしつけるかのように背中を叩いて宥める。
軽く頭の位置を動かしただけで、閉じた瞼が開くことは無かった。
起きてたら絶対に子供扱いしないでよ!なんて言って怒るんだろうな、けどそんな彼女も可愛いから好きだけれど。
髪に顔をうずめて、体温を全て感じとれるように抱き寄せて、俺も心地のいい場所を見つけた。
彼女が起きたらどんな顔をするだろう。
きっと顔を真っ赤にしてまたロリコン扱いでもされるんだろうな。
そんなことされてもあながち間違いではないからもちろん言い訳なんてできないだろうけれど。
彼女が起きてからのことを考えるだけで自然に顔が緩んでしまう。
まるでそれを見てるかのように腕の中の彼女は少し微笑んでいた。





穏やかな時間が壁に掛かるアナログ時計の音に彩られる。
(1秒がもっと長ければいいのに)


お題提供...OBSCURE








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