あめあめふれふれ。





レインレイン




窓がこつこつと音をたてた。
その瞬間、地面を強く打ち付ける音が何度も響き渡って、その音はいずれ大きなノイズ音になった。
音の正体は激しい雨。
ついさっきまで雲一つない晴れだったのに、港の天気は変わりやすい、というわけか、乾いていた地面は一瞬で大きな水溜りを作った。
宿屋から外を眺めていると、たくさんの人が慌てて店の屋根や家へと戻っていくのが見える。
海も荒れて船が出せない、ということで雨が納まるまでしばらく休んでいることになった。
けれど、さっき買い出しに行ったリタがまだ宿屋へ戻ってきていない。
この雨の中、1人で大丈夫なのだろうか。

「おっさん、リタっち迎えに行ってくるわ」

そう言ってすぐに宿屋を出た。
傘なんて持っているわけないので、タオルを何枚か持って行く。
宿屋の入り口でも何人かが雨宿りをしている。
雑貨屋の方へ歩いていくが、雨だけじゃなく風も吹いているせいで、前がもうびしょびしょになった。
風を押し切って進み雑貨屋を見つけると、屋根の下にうずくまっている人影が見えて一気に走って行った。

「リタっち!」

慌てて屋根の下に飛び込むと、リタは驚いた顔でおっさん、と呟く。
食材や道具を濡らさないためだったのか、それをしっかりと胸の中に抱え込んでしゃがみこんでいた。
何もなくてよかった、と心配して力を抜くと、リタはずぶ濡れの頭を傾けた。

「風邪ひいちゃうでしょ、立って」
「…っくしゅ」

言ったそばから、と半ば呆れつつも、上着の中にしまっていたタオルで髪を拭いてやる。
ありがと、と呟かれて、それににっこりと笑い返すとタオルを奪われてしまった。
そして空いた手元には大量の荷物を押し付けられる。

「もう少し雨宿りしてく?」
「どうせ濡れるから戻りましょ。荷物濡らさないでよね。」
「あ、待ってリタっち」

彼女が両手じゃないと抱え込めない荷物は、自分には片手で軽々持てるもので、もう片方の手は空いている。
屋根から走り出ようとする彼女をその空いた手で引き寄せた。
それから自分の上着の裾を掴んで大きく開き、彼女の頭に被せるようにして覆った。

「…なによ」
「濡れちゃうでしょ」
「おっさんが濡れるじゃないの」
「おっさんはいーの」

ほれ、走るよ、とだけ言って背中を押すと、不満そうな顔をしながらついてくる。
それでもしばらくするとまたありがと、って呟くもんだから、前を向いたまま笑い返した。



(まだやみませんように。)




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灯場様へ、相互記念小説でレイリタです…!
ヴェスペリアの世界に傘があるかどうか微妙ですが、ゲーム中でさしてるのを見たことが無かったのでこんなものになりました。←
こんなものでよろしければお持ち帰りください…!
灯場様、相互リンクありがとうございました…!
これからよろしくお願いします!

お持ち帰りは灯場様のみでお願いします。










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